こんにちは、Kotaです。
- プロ動画クリエイター歴10年。
- 大手有名企業のPR動画や結婚式などの動画制作実績多数あり。
- ディレクション・マネジメントから撮影・編集までの制作を自分自身で行う。
- 動画で価値を伝えられる人になるための、『動画を簡単に高クオリティで作る方法講座』などを開催している。
今回の「」は、前編・後編に分かれて、下記の疑問にお答えしていきます。
【前編】では、制作を始める前の準備作業【動画の設計図】の作り方をご紹介しました。
【後編】では、疑問3つ目・4つ目を中心に、前編の内容をさらに深堀し、実際に撮影するシーンや構成を決める方法を解説していきたいと思います。
日々の投稿やYoutubeチャンネル、企業PRなど様々な場面で使えるため、どんな方でも有効な内容となっています。
それぞれ、普段私が仕事として動画制作を受注した際にも、使っている方法となっていますので、ぜひ参考にしてください。
まだ前編を読んでいない方は、ぜひ【前編】からご覧ください。
またこの記事では、シーンやBGMの【例】が数多く出てきます。
【例】の内容を想像しながら読み進めることで、想像力を養うことができますので、ぜひ意識して読んでみてください。
構成や撮影するシーンはこうやって考えてます【構成の作り方】
自分で構成が決められるようになると、どのような動画でも目的や受けて欲しい印象をしっかりと盛り込んだ、あなたが伝えたい価値を伝えられる動画が作れるようになります。
構成やシーンを考えていく際に、何か基準となるものから構成を決めていくと良いです。
今回は、環境・BGM・被写体といったものそれぞれを基準にした場合の、構成を決めていく方法をご紹介したいと思います。
構成を決める方法1:シチュエーション・環境・場所から構成する
まず1つ目は、どのような環境で撮影するのかによって構成を考える方法です。
シュチュエーション・環境・場所の例をあげてみます。
- 近所の公園
- 川沿い
- 自然の中
- 海岸
- 旅行先
- デート先
- 街中
- 会社
- 学校
上記以外にも、たくさんのシュチュエーション・環境・場所があると思います。
撮影する場所が決まっている場合は、その場所で撮れるシーンから構成を考えていくことができます。
具体的な例をあげて解説してみたいと思います。
もし、あなたが旅行先で食べ歩きの様子を撮影したいと思ったとします。そうすると、例えば下記のような構成を考えることができます。
- 行き先が分かるシーン → そもそもどこに行ったのかを公開
- 散策しているシーン → 何をしているのか分かりやすくするため
- 歩いている足元 → 散策しているのが分かるようなシーン
- お店の外観 → メインのシーン1
- 食べ物 → メインのシーン2
- 食べたときの表情 → メインのシーン3
- 歩いている足元 → 『食べ歩き』がメインのため、補助情報として使用
- お店
『食べ歩き』の様子なので、上記のようなの流れを繰り返す形の構成を考えることができます。
もう1つ、具体的な例をあげてみたいと思います。
公園で遊んでいる子どもの姿を撮影したいと思ったとします。そうすると、例えば下記のような構成を考えることができます。
- 公園外観
- 遊具
- 子どもが遊んでいるシーン
- 楽しんでいる表情
- 走り回っているのであれば足元のアップ
- 滑り台であれば滑っている姿を横から追うシーン
- 砂場であれば砂をいじっている手元のアップ
- 時計のアップ
- 帰りの様子
あくまで例えの環境や場所ですが、何となく頭にシーンが思い浮かんだのではないでしょうか?
撮影する環境や場所、シチュエーションが事前にわかっていれば、「こんなシーンを撮りたい。」「こんなシーンが撮影できそう。」「こう撮ればこんな表現ができる。」といった様に、脳内で事前にシーンをイメージしながら撮影に臨むことができます。
全てのシーンを事前に考えるのが難しい場合は、「肝となる数シーンだけは必ず撮影する。」と決めておけば、作りたい動画のイメージから大きく離れることもなくなります。
構成を決める方法2:BGMから構成する
事前にBGMが決まっている場合は、BGMを基準にして、BGMに合わせた構成を作りましょう。
例として、Instagramのリール(仮で60秒の動画とします)での構成を考えてみましょう。
あなたの好きな楽曲が、Instagramのリールで編集に使えるかもしれません。
好きなBGMで動画を作ることは、有名な楽曲で制作することになりますので、参考にできる動画も数多くあります (好きな曲が有名なものであればですが…)。
また、大抵の曲にはMVが公開されているものが多いため、より楽曲に合ったシーンや雰囲気が簡単に確認でき、さらに好きな楽曲なので制作意欲も増します。
BGMで構成を考えるときは、だいたいの場合、下記の手順で構成します。
- 曲調で大枠を決める
- 楽曲のどの部分を使うかを決める
- 60秒間のうち、Aメロ・Bメロ・サビなどを分解する
- それぞれに合ったシーンを構成する
BGMでの構成は、その他の構成方法と組み合わせて考えやすい方法でもありますので覚えておきましょう。
それでは、それぞれ解説していきます。
曲調で大枠を決める
あなたの選んだ楽曲が、明るい曲なのか、ゆったりした曲なのか、はたまた激しい曲なのかなど、楽曲全体の雰囲気がどのようなものなのかを把握します。
歌詞がある楽曲を使用する場合は、歌詞にも注目すると良いでしょう。
明るい曲調であれば、動きのあるシーンや明るい場所、昼間での撮影を意識したり、逆に落ち着いた曲調であれば、スローモーションでの撮影や日陰・夕方など落ち着いた環境での撮影を意識すると、BGMと動画を上手く組み合わせることができます。
楽曲のどの部分を使うかを決める
次に、選んだ楽曲のどの部分を使うかを決めましょう。
基本的には、あなたがお気に入りの部分を使用する方が、イメージもしやすいのでおすすめです。
今回は、リールでの60秒間を想定していますので、サビだけでなく、その手前もしくは後の部分も含まれることが多いでしょう。
その場合、次に解説するSTEP03の手順が必要になってきます。
60秒間のうち、Aメロ・Bメロ・サビなどを分解する
STEP02で選んだ部分を、さらに細かく分解します。
例えば選んだ部分が、『Bメロ途中からサビの部分』で、サビに向けて盛り上がっていくような楽曲だった場合は、下記のような構成を考えることができます。
- Bメロ:落ち着いたシーン
- Bメロからサビ手前:サビに向けて動きが大きくなる
- サビ:サビの盛り上がりに合わせて大きく動くシーン
それぞれに合ったシーンを構成する
最後に、分解した楽曲のそれぞれに合わせて構成を組んでいきます。
STEP03で例であげた楽曲で考えてみましょう。
STEP03の例の場合、落ち着いたシーンと動きの大きなシーンが組み合わせてあります。
そこからシチュエーションや環境を想像し、どのようなシーンを撮影するかを決めていきます。
人物の動画を作る場合で、例をあげて解説してみます。
【例】
撮影場所:家と旅行先
時間帯:早朝と日中
シチュエーション:出かける準備から楽しい旅行まで
上記の環境で、私の場合はどのようなシーンで構成していくかをまとめてみました。
【上記環境で、Kotaが考える音楽に合わせた構成例】
家での準備シーン【Bメロ】:朝日が昇るシーンやメイクシーン、髪をセットしている様子、荷物を詰めるシーンなど
出発シーン【Bメロ-サビ手前】:玄関で靴を履いて出発するシーンや、道中の景色が流れていく様子など
旅行先シーン【サビ】:旅行先で楽しんでいるシーン、笑顔やわくわく感が伝わるシーンなど
このように、曲調に合わせたシーンを組み合わせることで、BGMと動画がマッチした構成ができあがります。
慣れないうちは、文章やBGMからシーンを想像するのは難しいかもしれませんが、制作を重ねるうちに勝手にシーンが思い浮かぶようになります。
また、さまざまな参考動画(リファレンス)を視聴することで、「あの動画のあのシーンが撮れるかも?」や、「あのシーンとあのシーンを組み合わせれば作る動画に合うかも?」と、あなたの引き出しが増えていきますので、シーンの想像力も鍛えていきましょう。
構成を決める方法3:被写体から構成する
最後は、被写体から構成する方法です。
あなたが撮りたい被写体は何でしょうか?
- 恋人、パートナー
- 子ども
- 自然や物
- 会社の様子
- 趣味
上記のようにさまざまな被写体がありますが、今回は被写体が『人物』の場合と『ケーキ』を例にあげて解説します。
人物からシーンを想像する
あなたが撮影しようとしている人は、一体どんな性格・雰囲気ですか?
モデルをしているような人でなければ、その人の性格や雰囲気は簡単に変わるようなものではありません。
明るい性格・控えめな性格・落ち着いた雰囲気・不思議な雰囲気など、その人の持っている特徴に合わせたシーンを撮影することで、その人本来の魅力が伝わる動画に仕上がります。
明るい性格であれば走る様子や笑顔のシーン、落ち着いた雰囲気であれば手を組む仕草やゆっくり空を見上げるシーンなど、それぞれの持つ魅力に合わせたシーンを構成するようにしましょう。
ケーキ(物撮り)ができがるまでを想像する
ケーキは、当然いきなり何もないところから出てくるわけではありません。
ケーキができあがるまでには、さまざまな工程があります。
できあがったケーキだけを撮るなら写真で済んでしまいますが、動画の場合はその工程から食べた様子など、時間を追う形で伝えることができます。
材料を混ぜているシーン・成形のシーン・焼くシーン・完成のシーンなど、想像するだけで各シーン複数のカットが撮影できます。
また例として、オーブンのタイマーが減っていく様子や盛り付けのシーンなどを組み込むことで、もうすぐ完成するというわくわく感を演出することもできます。
これは構成すべてに共通することですが、以前投稿した【撮影編】の記事にも書いた、寄りと引きを撮影することで動画にメリハリ(緩急)がつきますので、人物や物撮りなどに関係なく意識して撮影しましょう。
まとめ
今回は、【動画の構成方法】についてご紹介しました。
シーンを想像するというのは、慣れないうちは難しいと感じるはずです。
しかし、あなたが制作を重ね、その中で参考動画をたくさん視聴し、「こんなシーンがあるんだ!」「このシーンすごく良い!」と感じる動画に出会うことで、想像力を養うことができます。
そして、良いと感じたシーンを実際に撮影・編集してみることで、あなたが制作できるバリエーションの1つとなります。
試行回数、実践回数を重ねることで、確実に動画制作は上手くなっていきますので、あなたが学んだことを意識しながら取り組んでみてください。
「こんなことを知りたい」「このことを解説してほしい」「こんな動画が作れました」などのご要望や感想・学んだ成果などがありましたら、ぜひコメントやSNSにご連絡ください。
ご要望が多くあったものを、積極的に記事にしたいと考えていますし、皆さんが学んだことをコメントにアウトプットすることで、更に理解が深まります。
これからも、楽しい動画制作ができるよう有益な記事を投稿していきますので、よろしくお願いいたします。